フランスのアルザス地方で生まれ写真家、デザイナーとして活躍し、現在のデザイナーは彼から多大な影響を受けている。
2010年にディレクターにニコラフォルミケッティを迎え、ロマン・クレメールのデザインの元、コレクションを発表し、デビューシーズンにメインモデルとして起用されたリック・ジュネの全身タトゥーはファッション界に新しい衝撃を与えた。
モデルだけでなくゴシックなクレメールのデザインとUK文化に強い影響を受け、日本・イタリア・アメリカの文化に触れてきたニコラフォルミケッティのディレクションから日本では多くの注目を集めているブランドである。
第二シーズンとなる2012年春夏のコレクションは前シーズンのゴシックテイストから大きく方向性を変え、スポーティーで色や光に溢れるコレクションを提案している。
また日本では廃れたアイテムとして認識されているケミカルウォッシュのデニムを使用したアイテムやスパンコールの縫い付けられたスパッツなど挑戦的なアイテムが多く見られ、色切り替えのシャツなどポップなアイテムも有る。春のワードローブのスパイスになりそうな物が多く、ジャンルに問わず取り入れることができるだろう。
しかしながら、最近の2シーズンの出来上がった商品品質には多くの人は納得していないだろう。サンプル商品から大きく質を下げて店頭に並ぶ商品に、服好きの方はランウェイとの差を感じてしまう。
また、2012春夏シーズンではワッペン、刺繍を有料で追加するといった販売方法を採用しており、店によってThierry Muglerのロゴである星の刺繍が入っていたりワッペンがついていたり、均一では無い商品に消費者は困惑してしまう。
ブランドに捕われず春夏のワードローブに数点取り入れるには良いが、全身で着るのは難しいのでは無いかという印象を持っている。